10年前の不倫で慰謝料は請求できる?|古い出来事が離婚理由になるかを弁護士が解説

10年前の不倫で慰謝料は請求できる?

「もう10年も前のことだけど、どうしても許せない。」
「昔の浮気を思い出して、今になって離婚したくなった。」
こうした声は、実は少なくありません。

しかし、“過去の出来事”を理由に離婚慰謝料を請求することができるのかについては、注意が必要です。

古い話でも、慰謝料を請求できるの?

結論から言えば、可能な場合もありますが、状況次第で請求が認められないことも多いです。

離婚慰謝料というのは、「結婚生活が破綻した原因となる相手の行為」に対して支払われる損害賠償です。
したがって、過去の不倫や暴力が、いまの離婚に直結していると評価されるかどうかがポイントになります。

一度は“許した”と見なされるケースもある

過去に起きた不倫や暴力について、その後も普通に生活を続けていた場合には、裁判所が「一度は許した」と判断することがあります。

たとえば、不倫から何年も経過して、夫婦で旅行に行ったり、子どもが生まれたりしている場合などです。

このような事情があると、慰謝料の対象とはされず、「今さらその話を持ち出しても無理」と判断されることがあります。

今の離婚の原因と結びついていれば、可能性はある

一方で、ずっと許せなかったことが積もり積もって、ようやく離婚を決断したというケースでは、過去の行為も離婚原因と評価される可能性があります。

そのためには、「当時の行為が今でも精神的な負担になっている」ことや、「実はずっと悩んでいた」などの経緯を具体的に説明できるとよいでしょう。

「不貞単体の慰謝料請求」とは違う視点

古い不倫などについては、「不貞行為単体での慰謝料請求」だと時効(3年)にかかる可能性が高いです。
しかし、離婚という大きな出来事の中で、“原因のひとつ”として扱う場合には、時効とは別の観点で評価されます。

ただし、どこまで過去を遡って請求できるかは、裁判所の判断が分かれる部分です。
「何でもかんでも持ち出せば慰謝料が取れる」というわけではありません。

まとめ:過去の話を今持ち出すのは難しいが、可能性はゼロではない

  • 10年前の不倫などでも、離婚理由として扱われることはある
  • ただし、その後の夫婦関係によって「許した」と判断されることもある
  • 慰謝料請求が通るかは、「いまの離婚原因とどれだけ結びついているか」がカギ

昔の出来事がどうしても心の中でひっかかっている場合、法的にどう扱われるのかを一度確認しておくことが大切です。
感情面・法律面の両方を整理して、適切な判断をするためにも、まずは一度ご相談ください。


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