物損事故でも油断するな!修理費・時価・評価損の落とし穴とは?
物損事故でも油断するな!修理費・時価・評価損の落とし穴とは?
交通事故というとケガの問題が注目されがちですが、物損事故こそ思わぬトラブルが起きやすいのをご存じですか?
「車の修理費を払ってくれるはずが、全然足りない…」
「全損扱いになったけど、その金額じゃ買い替えられない!」
物損事故の損害賠償には、いくつかの“落とし穴”があります。
ここでは、知っておくべきポイントを分かりやすく整理します。
主に認められる費目はこれだ!
- 修理費:損害額の中心。部品・工賃含めて算出。
- 評価損:修理しても「事故車扱い」となり価値が下がる分。
- 代車費用:代車が必要な期間。通勤・通院があれば有効。
- レッカー代・保管料:事故現場からの搬送・一時保管の費用。
- 登録手数料:買い替え時に発生する諸費用(全損の場合)。
- 慰謝料:原則なし。ただし愛用品が壊れた等で認められる例も。
修理費より“時価”が安い?──その金額、本当に正しいのか!?
交通事故で車が壊れた場合、修理費が車の「時価」を超えると「全損扱い」となり、
修理費ではなく「時価額」しか支払われないのが原則です。
では、その「時価」って、どうやって決まるのか?
実はここに、保険会社との一番の対立ポイントがあります。
「時価」はどうやって決まるの?
保険会社は、レッドブック(自動車価格月報)と呼ばれる業界データをもとに時価を算出しています。
しかし──これが現実とズレていることも少なくありません。
例えば、あなたが大切に乗っていた車が「時価30万円」とされても、
同じ年式・同程度の走行距離の車が中古車市場で50万円で売られている──そんなこともあります。
レッドブックに掲載されていない車種もある!
年式が古すぎる車や希少車の場合、そもそもレッドブックに載っていないことがあり、その場合、新車価格の10%と提示されるケースもあります。
対処法:「本当にその金額で買えるんですか?」
交渉の際、「本当にその金額で同等の車が買えるなら、紹介してください」と言ってみてください。
また、中古車販売サイト(カーセンサー・グーネットなど)で同じ条件の車の販売価格を提示するのも有効です。
「現実の市場価格とズレている」と示せれば、保険会社も再検討に応じる場合があります。
評価損(格落ち損)は、簡単には認められません
事故で車を修理したとしても、「修復歴あり」となれば中古市場での価値は大きく下がります。
これが「評価損(格落ち損)」と呼ばれるものです。
理屈としては明確な損害ですが、実際に保険会社が支払いに応じることは非常に少ないのが現実です。
特に年式の古い車や走行距離の多い車については、「市場価値が下がったとは言えない」として認められにくくなります。
また、裁判所でも評価損が一律に認められるわけではなく、
「高年式」「高級車」「修復歴の影響が大きい」などの事情が必要です。
請求する際には、ディーラーや中古車業者による査定書や意見書などを用意し、客観的に価値下落を立証する必要があります。
「評価損」という言葉だけを出しても、支払ってもらえるとは限らない。
それが、実務上の現実です。
よくあるトラブル・落とし穴
- レッカー移動先の保管料が高額に → 保険会社と事前相談が必要
- 代車の期間に制限をつけられる → 修理の遅延理由を明確に
- 「必要ない費用」としてカットされる → 領収書・利用理由を明示
おさち法律事務所では
当事務所では、物損事故のご相談も多数お受けしています。
「修理費が全然足りない」「時価と言われて納得できない」「評価損を認めてもらえない」
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
相手保険会社との交渉から、必要資料の整理まで、全面的にサポートいたします。
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