弁護士とは? 他の士業との違いから見える“争い”を引き受ける役割

弁護士とは何か?

他の士業との違いから見えてくる、本当の役割

① はじめに:士業はたくさんある。でも「どこに相談すればいいのか分からない」

行政書士、司法書士、社労士、税理士──いわゆる“士業”と呼ばれる専門職は数多く存在します。
最近ではインターネットの影響もあり、どの専門家に頼めばいいのか迷ってしまうという声も多く聞かれます。

今回は、「弁護士とは何か?」をテーマに、他の士業との違いを交えながらお伝えしたいと思います。

② 弁護士の仕事とは:「法律問題のすべて」に立ち会う資格

弁護士は、法律に関するトラブルを扱う唯一の“総合職”です。

たとえば…

  • 損害賠償を請求したい(交通事故・不貞・名誉毀損)
  • 相手と交渉ができない(離婚・借金・労働問題)
  • 訴訟や調停、裁判所を使いたい

このように、“人と人が争っている場面”の中に入っていけるのは弁護士だけです。

③ 他の士業と弁護士の違い

以下に、よく混同されがちな士業と、弁護士との違いを簡単に整理してみます。

士業主な業務できないこと
行政書士許認可申請・契約書作成交渉・訴訟は不可
司法書士登記、140万円以下の簡裁代理高額案件・家事事件の訴訟不可
社労士労働保険・社会保険の手続き個人間の損害賠償や訴訟は不可
税理士税務申告・節税アドバイス法律紛争の代理・交渉は不可

他士業は「手続の専門家」であり、争いや対立に直接入ることは基本的にできません。
これに対して、弁護士は「法的対立の当事者」として行動できる資格です。

④ 弁護士の本質:対立を担う「戦う資格」

行政書士や司法書士は、関係者全員が同じ方向を向いて制度を進める専門職です。
対立は想定されていない場面が多く、どちらかといえば協力型の業務が中心です。

一方で、弁護士が登場する場面には、必ず“相手方”が存在します。
たとえば…

  • 離婚を求める配偶者と、それに応じたくない配偶者
  • 加害者と被害者
  • 貸した側と返せない側

こうした「対立構造」に立ち会い、調整し、代理人として交渉・訴訟できるのは、弁護士だけです。

弁護士は、“争いごと”を引き受ける唯一の資格。それが他の士業と根本的に異なる点です。

⑤ 「書類作成」と「紛争解決」は、まったく違う仕事です

「契約書を作ってくれるなら、行政書士さんでも大丈夫ですよね?」
そうおっしゃる方もいらっしゃいます。もちろん、書類そのものの作成は他士業でも対応可能な場合があります。

しかし、“相手との間にトラブルがあるかもしれない”という状況では、弁護士に依頼すべきです。
書類の書き方だけではなく、「この先、どんな争いが起こりうるか」を想定しながら作るのが、弁護士の役割です。

⑥ 最後に:迷ったら弁護士に。必要なら、適切な士業をご紹介します

私たち弁護士は、裁判や交渉だけの専門家ではありません。
「この問題はどこに相談すればいいのか分からない」というときこそ、まずご相談ください。

必要に応じて、信頼できる他士業をご紹介することも可能です。
私たちは、依頼者の不安を解決するために、最初の窓口として機能したいと考えています。


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