協議離婚の落とし穴?話し合いだけで終わらせる前に知っておきたいポイント

協議離婚って簡単?

あとで後悔しないために、いま知っておいてほしいこと

① 協議離婚って、本当に話し合うだけでいいの?

「話し合いさえまとまれば、役所に出すだけ」──
そう聞くと、協議離婚って簡単そうに感じますよね。

たしかに、離婚届に署名・捺印をして、市区町村に提出すれば離婚は成立します。
でも…本当にそれだけでいいのでしょうか?

あとから「こんなはずじゃなかった」と思う方、実はとても多いんです。

② よくある“話し合い不足”のケース

こんなご相談をよく受けます:

  • 「養育費を払うって言ってたのに、もう3ヶ月も未払い…」
  • 「車は私が乗ってるけど、名義は元夫のまま。売却されたらどうなるの?」
  • 「“自由に会っていい”と言われたのに、連絡しても返事がない…」

話し合いで離婚が成立したとしても、きちんと記録していなければ、法的に主張するのが難しくなることもあります。

③ 協議離婚で決めておきたい“最低限のこと”

協議離婚をする際、せめて以下の点は話し合って、書面に残すようにしましょう:

  • 養育費:金額・支払方法・支払期間
  • 財産分与:預金・不動産・車の名義、分け方
  • 面会交流:頻度・方法(対面・電話など)
  • 慰謝料:あるかどうか、金額があるなら支払い方法
  • 年金分割:合意書や請求書の準備。忘れやすいが極めて重要!
     離婚後2年以内に請求しなければなりません(法改正で延長予定)。

④ 公正証書にしておくと、安心です

取り決めた内容を“書面にする”だけでは、実は不十分です。

相手が支払わなかった場合、ただの書面では何もできません。
でも公正証書にしておけば、養育費などが未払いになったとき、すぐに給与差押えなどが可能になります。

費用は数万円程度ですが、将来のトラブル予防としては非常に大きな価値があります。

⑤ 弁護士に頼むべきか、迷ったら

もちろん、冷静に話し合いができているご夫婦もいらっしゃいます。
そういった場合、弁護士に依頼せずに協議離婚を進めるのも選択肢の一つです。

ただし、次のようなときはぜひ早めにご相談ください:

  • お子さんがいて、養育費や親権のことで不安がある
  • 住宅ローン・不動産など高額な財産がある
  • 感情的に対立していて、話し合いがしんどい

一度こじれてしまうと、あとから調停・裁判になることもあります。
最初の段階で整理しておくことが、じつは一番の近道になるんです。

⑥ 最後に:離婚届を書く前に、ちょっとだけ立ち止まってみませんか?

協議離婚は、スムーズに終わればお互いにとって良い形です。
でも、その「スムーズさ」の中に、大事なことを置き忘れていないか、ちょっとだけ確認してみてください。

後で「聞いてなかった」「約束したはずだ」と揉めないために。
今のうちに整理しておくことが、これからの新しい生活を守ってくれます。

おさち法律事務所では、協議離婚を考えている方のサポートも行っています。
「相談だけ」「書面の確認だけ」でも大歓迎です。
お気軽にご連絡ください。


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