「過払い金って何?──もう取り戻せないって本当?」
過払い金って何?──もう取り戻せないって本当?
一時期、テレビやラジオで盛んに流れていた「過払い金返還請求」──
しかし最近では、すっかり聞かなくなりました。
そもそも過払い金ってどういう仕組みだったのか? そして、今も取り戻せるのか?
簡単に整理してみましょう。
【1】仕組みの簡単な説明
過払い金は、法律で決められた上限以上の利息を支払っていたことで発生するものです。
昔の消費者金融やクレジット会社の貸付利率は、以下のような“はざま”にありました。
- 利息制限法の上限金利:年15%〜20%(元本に応じて)
- 出資法の上限金利:年29.2%(2006年以前)
当時、多くの業者が「利息制限法の上限を超え、出資法の範囲内」で貸付をしていました。
これがいわゆる“グレーゾーン金利”です。
そして、このグレーゾーン部分が過払い金として後から取り戻せるようになったのです。
【2】なぜ返してもらえるのか?
2006年、最高裁判所が重要な判断を下しました。
「利息制限法を超えた金利は無効であり、その超過分は元本に充当する」とされたのです。
つまり、払いすぎた利息は“返しすぎたお金”=過払い金であり、請求する権利があると認められました。
【3】現在はもうほとんどないという実態
法律改正により、2010年からは出資法と利息制限法の上限金利が一致し、グレーゾーン金利は廃止されました。
そのため、今の貸付で過払い金が発生することはありません。
よって、過払い金が発生していたのは、
- 2007年以前から
- 長期間にわたって返済し続けていた
というケースに限られます。
さらに、完済から10年が過ぎると時効になるため、今なお請求できるケースはごくわずかです。
【4】まとめ
過払い金は、かつての制度の“ゆがみ”によって生まれたものです。
かつては多くの方が取り戻しましたが、今では「ほとんど存在しない」といっても過言ではありません。
ただし── 昔、消費者金融やクレジット会社と長く取引していた人には、今でも可能性がある場合もあります。
気になる方は、まずは取引履歴を確認してみましょう。
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