養育費と大学の学費・下宿代
離婚のご相談でお子さんの話になると、必ずといっていいほど出てくるのが教育費です。最近は「養育費の相場表があるんですよね」とおっしゃる方も増えました。家庭裁判所の算定表はインターネットで簡単に見られますから、当然だろうと思います。
ただ、その表がどういう前提で作られているかまでは、あまり知られていません。
算定表は「公立」を前提にしている
算定表は、子どもが公立の小中学校・公立高校に通っている場合を想定して作られています。
かつては「私立高校の学費をどこまで負担してもらえるか」が調停の主戦場になることもありましたが、支援制度が広がったことで、争点としてはかなり小さくなりました。
大学の学費
問題は、その先です。
大学の学費は、算定表に織り込まれた公立高校の教育費とは、そもそも桁が違います。しかも4年間続きます。算定表の外側にある問題だ、と考えていただいた方がよいと思います。
誰が、どこまで負担するのか
では、大学の学費は当然に上乗せされるのかというと、そうではありません。実務では、おおむね次のような点が見られています。
- 進学について、支払う側の同意があったかどうか。はっきり同意していなくても、進学を前提にした言動があれば、黙示の同意と評価されることがあります。
- 当事者双方の学歴・収入・生活水準からみて、大学進学が自然といえる家庭かどうか。
- 子ども自身が奨学金やアルバイトでどれだけ賄っているか。
そして負担が認められる場合でも、学費の全額を父母で分けるのではなく、「算定表にすでに入っている公立分を超える部分」を取り出して、双方の基礎収入の割合で分ける、という組み立てが一般的です。「私立だから全部払ってほしい」でも「表のとおりだから一円も出さない」でもない、その中間で線を引く作業になります。
見落とされがちな下宿代
そして、見落とされているのが下宿代です。
大学に進むこと自体は了解していたとしても、自宅を出ることまで了解していたかは別です。進学先や自宅外通学について、支払う側がどこまで了解していたのかが、より強く問われます。
実際の取り決めでは、下宿代の全額ではなく、家賃相当分に絞ったうえで、負担割合を決める、といった形で調整することが多いです。
いずれにしても、進学が見えてきた段階で、学費と下宿代を一緒のテーブルに載せておくことが大切です。
ご相談をお考えの方へ
大学の学費や下宿代の負担は、進学が具体化してから慌てて話し合うと、こじれやすいところです。これから取り決めをする方も、すでに決めた内容を見直したいという方も、一度ご相談ください。
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