2025年6月9日 / 最終更新日時 : 2025年6月9日鳥川秀司借金

借金の消滅時効とは？制度を正面から解説！

借金にも「時効」があることをご存じでしょうか？

法律上、一定期間が過ぎると債権（借金を返してもらう権利）は時効によって消滅します。これを「消滅時効」といいます。

通常の借金（クレジットカード、消費者金融、銀行など）は、最後の返済日から5年で時効が完成します（注意：５年経過する直前に催告があった場合に、時効が6ヶ月延長されている可能性もあります）。

例外もあります。たとえば、すでに訴訟や支払督促などで判決が確定している場合には、判決確定日から10年が時効期間になります。つまり、裁判で債務が確定した場合は、より長く請求が可能になるのです。

ここで重要なのは、「時効が完成しても、こちらから時効の援用という手続きをしなければ、借金は消えない」という点です。

たとえば、消費者金融からの請求ハガキを受け取っても、黙っているだけでは時効にはなりません。きちんと「私はこの借金について時効を援用します」という通知を行う必要があります。

2020年の民法改正により、「時効の中断」という用語は「時効の更新」に変わりました。これは、時効のカウントがゼロからリセットされることを意味します。

以下のような行為をすると、時効は更新されてしまいます：

このような行為があると、また最初から時効期間のカウントが始まるのです。

時効の援用には、下記のような条件を満たす必要があります：

これらを確認せずに対応すると、逆に不利な状況になることもあります。

「もしかして時効かもしれない」と思っても、自分だけで判断するのは危険です。実際には、債権者がすでに裁判を起こしていたり、過去の支払い履歴がリセットの原因になっていたりすることも。

弁護士に相談すれば、取引履歴を調査し、時効の成立可否を正確に判断したうえで、最も有利な対応を取ることができます。

おさち法律事務所のご案内

借金問題でお悩みの方、時効の可能性がある方は、お気軽にご相談ください。

借金の悩みは、一人で抱え込まずに、法律のプロである弁護士にご相談ください。消滅時効の可能性を一緒に確認しましょう。