離婚の種類を確認しよう

 離婚には、「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つの類型があります。

 通常は、「協議離婚」⇒「調停離婚」⇒「裁判離婚」という流れになります(「審判離婚」は稀なケースですので、省略します。)。

協議離婚 とは

 協議離婚とは、夫婦が話し合いで合意することによって離婚するものです。離婚をするために法定の離婚原因や、家庭裁判所の手続などは必要ありません。日本で最も多いのが、この「協議離婚」です。

 協議離婚は手続きが簡単ですが、離婚条件(慰謝料や養育費など)を守ってもらえない場合に、強制的に徴収する手段(強制執行)がない、というデメリットがあります。

★ワンポイントアドバイス

 後日のトラブルを避けるために、離婚協議書を「公正証書」で作成しておくとよいでしょう。また、話し合いが不可能だと感じたら(感情的になっているケースなど)、無理をせず、専門家のアドバイスを受けた上で、調停離婚へ進むことを検討しましょう。

調停離婚 とは

 夫婦間で離婚協議がまとまらないけれども離婚をしたい人は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて離婚を求めることになります。日本では離婚訴訟を起こす前に、必ず離婚調停で話し合いをしなければなりません(調停前置主義)。

 申し立てる裁判所は、相手方の住居地を管轄する家庭裁判所になります。ですから、相手方が遠方に住んでいる場合は、わざわざ遠方の裁判所へ出向かなくてはなりません(最近は、電話による調停も活用されています。)。

 離婚調停は、おおむね1ヶ月毎に期日が設けられます。

 調停の席上では、調停委員が、各々の意見を交互に聞き、解決に向けたアドバイスをしてくれます。夫婦が対面で話し合うわけではありませんので、安心してください。

 離婚調停の結果、夫婦間で離婚の合意ができれば、離婚が成立します。合意ができなければ成立しません。ですから、裁判所が仲介してくれる話し合いだ、と考えておけばよいでしょう。

★ワンポイントアドバイス

 調停で自分の意見をしっかりと伝えることが大事です。ただ、時間は限られていますので、自分の主張をメモでまとめておくなど、工夫をしましょう。また、別れると言っても、夫婦なのですから、最低限の礼節は保ちましょう。ときには調停委員の意見を聞き入れ、譲歩をすることも大切です。

裁判離婚 とは

 離婚調停が不成立となったが、離婚をしたい人は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。離婚が認められるためには、離婚原因が必要になります。原告(離婚を申し立てた側)は離婚原因があることを主張・立証する必要があります。

 法定の離婚原因は次の5つです(民法第770条1項)。

 1 相手方に不貞行為があったこと

 2 相手方に悪意で遺棄されたこと

 3 相手方の生死が3年以上明らかでないこと

 4 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

 5 その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

 実務上は、1項、5項を主張するケースが多いでしょう。

 審理の結果、離婚原因があると認められ、離婚を認める判決が確定すれば、離婚が成立します。

★ワンポイントアドバイス

 裁判では、どんな「事実」があったのか、そして、それを裏付ける「証拠」は何か、がとても大切です。熱さと冷静さの両方を兼ね備える必要があります。また、裁判官から和解を勧められることもあります。冷静に耳を傾ける必要もあるでしょう。

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